3大学力調査

全国学力・学習状況調査

調査主体   文科省

目的     学力の全国的な把握・分析。

内容     国・数(※理科3年に1度、英語2019年度より中3時)

学年     小6、中3(義務教育の最終学年)

実施サイクル 毎年

 

PISA

調査主体   OECD

目的     知識技能を実生活でどの程度活用できるか。

内容     読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシー

学年     高1

実施サイクル 3年毎

 

③TIMSS

調査主体   IEA(国際教育到達度評価学会)

目的     数理の学力測定。

内容     数学、理科

学年     小4、中2

実施サイクル 4年毎

「学力」とは

●学力の定義(学校教育法第30条第2項)

 →学力の3要素

 ①知識・技能 ②思考力・判断力・表現力 ③主体的に学習に取り組む態度

 

 ※注意

 学習指導要領に定める「子どもたちに育成すべき資質・能力の3つの柱」との混同✗

 →3つの柱

 ①知識・技能(何を理解し、何ができるか)

 ②思考力・判断力・表現力(理解したこと、できることをどのように使うか)

 ③学びに向かう力・人間性(どのように社会と関わり、より良い人生をおくるか)

 

●確かな学力

 =「学力の3要素」

 

●確かな学力と生きる力

 「生きる力」の育成 …学習指導要領に掲げる日本の学校教育における最大の目標。

   確かな学力、   豊かな人間性、   健康・体力

 

学習指導要領2(総則)

第1章 総説

 

第1節 改訂の経緯及び基本方針

●改訂の経緯

 文科省中教審

 →時代変化(人口減少、グローバル化、技術革新)を認識、社会的ニーズの変遷を踏まえ、

 新しい時代にふさわしい学習指導要領のあり方について諮問

 中教審文科省

 →”よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”という目標を学校と社会が共有すること

 →社会に開かれた教育課程の実現(新しい時代に求められる資質・能力を得るため)

 →6つの視点から学習指導要領を見直すとともに、カリキュラム・マネジメントの実現

  ①何ができるように

  ②何を学ぶか

  ③どのように学ぶか

  ④一人ひとりの発達をどのように支援するか

  ⑤何が身についたか

  ⑥何が必要か

 文科省

 新・学習指導要領 を公示(高校2018.03) ※施行2022.04

 

●改訂の基本方針

 基本的な考え方

 ・「社会に開かれた教育過程」の実現 (これから求められる資質・能力を社会と共有)

 ・引き続き「確かな学力」の育成(学力の3要素)

 ・豊かな心と健やかな体を育成(道徳教育の充実や体験活動の重視、保健体育指導の充実)

 

 具体的に 

 ①資質能力の明確化

  ・資質能力を”3つの柱“に再整理(知識技能、思考判断表現、学びに向かう力・人間性

 

 ②主体的・対話的で深い学び の実現に向けた授業改善

  ・主体的・対話的で深い学びの視点

  ・ひとつひとつの学習活動の質の向上

  ・単元などのまとまりの中で学びを実現

  ・柔軟な見方・考え方をできるよう

  ・基礎的な知識・技能の確実な習得

  ※高大接続改革の視点、卒業までにどのような資質・能力を身につけるべきかという視点

 

 ③カリキュラム・マネジメントの推進

  教育課程の改善を常に意識し、学校全体として学習効果の最大化を図る

  (教科横断的な学習、時間配分、人的・物的体制の確保など)

 

 ④教育内容の(主な)改善

  理数教育の充実、道徳教育の充実、外国語教育の充実、職業教育の充実

 

 

【キーワード】

 ●SDGs(持続可能な開発目標)

  →国連で採択。「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の国際目標。

 ●AI

 ●IoT(モノのインターネット)

  →これまではPCどうしがインターネットでつながっていた。これまでインターネットに繋がっていなかったモノをつなぐことをIoTという。

 ●Society5.0

  →日本が目指すべき未来の姿として内閣府が提唱。

  →「仮想空間」と「現実空間」を融合させたシステムにより、経済発展と社会課題の解決を両立する人間中心の社会。

  →これまでの情報社会(Sciety4.0)では、情報の共有が不十分。Sciety5.0で実現される世界には、IoT、ITを駆使しての、社会課題解決や新たな価値創造をもたらされる。

 

第3節 道徳教育の充実

 ●改訂の要点

  ・高等学校教育の基本と教育家庭の役割

   →道徳教育の目標「人間としての在り方生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として他社とともにより良く生きるための基礎たなる道徳性を養うこと」

   →道徳教育の留意点「主体性のある日本人の育成に資することとなるよう留意する」

  ・道徳教育に関する配慮事項

   →道徳教育は学校の教育活動全体を通して行うもの。

    (校長の方針のもと、道徳教育推進教師を中心に。)

   →公民の「公共」「倫理」並びに特活が、道徳教育の中核的な場面と示した。

特別支援教育1

特別支援教育の理念

 →自立や社会参加への主体的な取り組みの支援

 →ひとりひとりの教育的ニーズを把握し、生活や学習上の困難を改善するための支援

 →発達障害も対象に、全ての学校において実施されるもの。

 →共生社会の形成の基礎となる(障害の有無やその他の個々の違いを認識し、それぞれが生き生きと活躍できる)

 

校長の役割

 →校内委員会の設置、学校全体で支援できる体制づくり

 →特別支援教育コーディネーターの指名

 

特別支援教育コーディネーターの役割

 →校内外の関係者(機関)との連絡調整

 →ケース会議 の計画

 

学級担任、教科担任の役割

 →特別な支援を必要とする生徒の早期発見

  (特定の教科で点がとれない、書き間違いが多い、興味に偏りある など)

 →特別支援教育コーディネーターとの連携(学校全体での支援へもっていく)

  「個別の教育支援計画」の作成 …長期的な支援計画(乳幼児期〜卒業までを見通した)

  「個別の指導計画」の作成 …上記計画を踏まえ、さらに具体的な指導計画

               (単元、学期、学年ごとに作成)

 

発達障害の現状

 →発達障害の可能性のある児童生徒 7%

 →発達障害を含めた特別支援教育は、すべての学校・学級で実施されるものだと再認識され、支援体制の整備が進められている。

 

参考資料

発達障害を含む障害のある幼児児童生徒に対する教育支援体制整備ガイドライン~発達障害等の可能性の段階から,教育的ニーズに気付き,支え,つなぐために~:文部科学省

 

人権教育1

 ●人権教育の定義

 人権尊重の精神滋養 を目的とする教育活動

 「知識」「人権感覚(人権の価値の直感的理解)」を育み、行動へつなげる教育

 

●人権教育の理念

 自他の大切さを認めること

 

●人権教育で育成したい3つの側面

 ①知識

  歴史、法律、諸概念(自由、正義、権利、義務)など

 ②態度

  自他の人権の尊重 など

 ③技能

  差別・偏見を見極める技能

  建設的に問題解決に取り組む技能 など

 

 

 

参考資料「人権教育の指導方法等の在り方について[第三次とりまとめ]」

「同和問題」に関する参考資料:文部科学省

 

生徒指導提要5

第6章 生徒指導の進め方

 

第1節 組織的対応と関係機関等の連携

 ●組織対応が基本

  ①内部…管理職、生徒指導担当、教育相談担当、学年主任、養護教諭

  ②外部…スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー

  ※担任だけで対応✗

 

 ●ケース会議

  生徒ひとりひとりが抱える課題に対して

  ・資料収集

  ・アセスメント(見立て)

  ・対応決定、役割分担  などを行う。

  ※担任、生徒指導主事を中心に管理職、養護教諭スクールカウンセラーなどで形成。

 

第4節 学級担任・ホームルーム担任の仕事

 ●学級担任

  生徒指導の機会がもっとも多い。したがって、

  生徒の個性、家庭事情、人間関係、日常生活・学校生活の状況を最も把握している。

 

 ●学級経営

  一人ひとりの実態把握、生徒理解によって円滑な学級経営につながる。

 

 ●学級担任による生徒指導

 ・日常の問題行動から注意※

 ・問題行動が起こるまえの、自己指導能力を培う生徒指導

 ・資料を積極的に他の教師と共有し、「チーム学校」として生徒指導を充実させる。

 ・教育相談の場を、計画的に随時実施する。

 

  ※どんな場面でも、毅然とした生徒指導が求められる

  →「社会で許されない行為は、子供でも許されない」といった学校全体の方針のもと、「社会の一員」としての責任と義務の大切さを伝える。

 

第6節 校内規律に関する指導の基本

 ●校内規律を守らせるために、まず、生活習慣の確立、行動様式の定着が必要

 ●校内規律の維持は、生徒に安心感を与え、不登校、いじめなどの問題を未然に防止

 ●自律性を育むことが大切

 

生徒指導提要4

第3章 児童生徒の心理と児童生徒理解

 

第1節 児童生徒理解の基本

●生徒指導の目的と実際

 生徒が自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指すもの。

 生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質行動力を高めるように指導しなければならない。

 <実際>

 集団を対象とすることもあるが、最終的なねらいは個人の育成。

 問題行動への対応が多いが、最終的なねらいは人格の形成。

 

●教師になにが求められるか。

 ①ひとりひとりの生徒を理解すること。

 ②理解する上で、人格発達に関する客観的・専門的な知識をもつこと。

 

第2節 児童期の心理と発達

発達障害の理解

 ・成長に伴い、診断名・特性が変容。

 ・診断名だけでの判断は、間違った実態把握につながる。

 ・ひとりひとりの実態を把握し、特性を理解する。

 

発達障害の種類と特性

 ①広汎性発達障害コミュニケーション障害、社会性の障害、パターン化した行動

  ・自閉症 ←言語発達の遅れ。こだわりが強い。

  ・アスペルガー症候群 ←興味のかたより。不器用。

 ②学習障害(LD)

 ③注意欠陥多動性障害ADHD

 

第3節 青年期の心理と発達

●青年期の発達の特徴

 自我同一性 誕生の時期

 →獲得の4段階「拡散」「早期発見」「モラトリアム」「達成」

  「拡散」…危機✗、関与✗

  「早期発見」…危機✗、関与○

  「モラトリアム」…危機○、関与✗

  「達成」…危機○、関与○

 

 ※自我同一性獲得の4段階(地位)は、”危機”、”関与”の軸で分けられる。

  危機…いくつかの選択肢の中で選択に迷う

  関与…自分のやりたいことに自覚的に注力している

 

 ひとりひとりの獲得段階(地位)に応じて、接し方、関係性を柔軟に変化させることが求められる気がする。日常的な生徒指導を通して、生徒理解を深めることの必要性を再認識させられる。

 

第4節 児童生徒理解の資料とその収集

●資料収集の目的

 ひとりひとりの生徒を取り巻く環境について、計画的、多角的、継続的に資料を収集、共有することが、生徒理解を深めるファーストステップ。これにより、生徒理解に基づいた生徒指導の実現に近づく。

 

●資料収集の方法

 ①観察法…朝の会での健康観察、その他全場面

 ②面接法…対面。知識、要求、考え、悩み、性格など直接的に収集。

  ★ラポール(信頼関係が成立した状態)の形成、傾聴の姿勢が重要。

 ③質問紙調査法…進路希望調査など

 ④検査法…知能検査、人格検査、学力検査。定量的。

 ⑤作品法…技能教科における作品制作、運動、自己表現を通して。

 ⑥事例研究法…蓄積された情報をもとに理解を深める。複数の教師が収集した資料を分析など