生徒指導提要4
第3章 児童生徒の心理と児童生徒理解
第1節 児童生徒理解の基本
●生徒指導の目的と実際
生徒が自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指すもの。
生徒の人格を尊重し、個性の伸長を図りながら、社会的資質や行動力を高めるように指導しなければならない。
<実際>
集団を対象とすることもあるが、最終的なねらいは個人の育成。
問題行動への対応が多いが、最終的なねらいは人格の形成。
●教師になにが求められるか。
①ひとりひとりの生徒を理解すること。
②理解する上で、人格発達に関する客観的・専門的な知識をもつこと。
第2節 児童期の心理と発達
●発達障害の理解
・成長に伴い、診断名・特性が変容。
・診断名だけでの判断は、間違った実態把握につながる。
・ひとりひとりの実態を把握し、特性を理解する。
●発達障害の種類と特性
①広汎性発達障害(コミュニケーション障害、社会性の障害、パターン化した行動)
・自閉症 ←言語発達の遅れ。こだわりが強い。
・アスペルガー症候群 ←興味のかたより。不器用。
②学習障害(LD)
第3節 青年期の心理と発達
●青年期の発達の特徴
自我同一性 誕生の時期
→獲得の4段階「拡散」「早期発見」「モラトリアム」「達成」
「拡散」…危機✗、関与✗
「早期発見」…危機✗、関与○
「モラトリアム」…危機○、関与✗
「達成」…危機○、関与○
※自我同一性獲得の4段階(地位)は、”危機”、”関与”の軸で分けられる。
危機…いくつかの選択肢の中で選択に迷う
関与…自分のやりたいことに自覚的に注力している
ひとりひとりの獲得段階(地位)に応じて、接し方、関係性を柔軟に変化させることが求められる気がする。日常的な生徒指導を通して、生徒理解を深めることの必要性を再認識させられる。
第4節 児童生徒理解の資料とその収集
●資料収集の目的
ひとりひとりの生徒を取り巻く環境について、計画的、多角的、継続的に資料を収集、共有することが、生徒理解を深めるファーストステップ。これにより、生徒理解に基づいた生徒指導の実現に近づく。
●資料収集の方法
①観察法…朝の会での健康観察、その他全場面
②面接法…対面。知識、要求、考え、悩み、性格など直接的に収集。
★ラポール(信頼関係が成立した状態)の形成、傾聴の姿勢が重要。
③質問紙調査法…進路希望調査など
④検査法…知能検査、人格検査、学力検査。定量的。
⑤作品法…技能教科における作品制作、運動、自己表現を通して。
⑥事例研究法…蓄積された情報をもとに理解を深める。複数の教師が収集した資料を分析など