生徒指導提要1

第1章 生徒指導の意義と原理

 

第1節 生徒指導の意義と課題

●生徒指導の意義=自己実現を図るための自己指導能力を育成すること。

●自己指導能力は、学校生活のあらゆる場面(授業・休み時間・部活動すべて)で育まれる。

発達段階(精神性、社会性など)に応じた指導を。

●生徒指導には、人間的なふれあいに基づく児童生徒理解が不可欠

 

第2節 教育課程における生徒指導の位置付け

生徒指導は学校生活のあらゆる場面でなされる。共通して以下の3つが教師に求められる。

 ①自己存在感を与える

 ②共感的な人間関係を育成

 ③自己決定の場を与え、自己の可能性の開発を援助すること

 

その上で、学習に課題のある生徒への生徒指導においては以下の5つで対応。

 ①補習

 ②グループ活動

 ③得意分野を伸ばす

 ④保護者や関係機関との連携

 ⑤専門機関との連携

 

第4節 集団指導・個別指導の方法原理

●集団指導と個別指導には相互作用がある。

 →集団指導を通じて個を育成

 →個の成長が集団の発展につながる

 

●集団指導・個別指導 ともに3つの種類に分けられる。

 ①成長を促す指導 …プラス方向へ

 ②予防的な指導  …マイナスへ傾かないように

 ③課題解決的な指導 …マイナスに傾いた状態をもとにもどす

学習評価1

中央教育審議会では、

「学習評価」について見直し。

 

これまでの4観点評価から3観点(学習指導要領3本柱)評価へ。

●学びに向かう力

●知識・技能

●思考・判断・表現力

 

具体的な評価方法として代表的なものを2つ。

①パフォーマンス評価

ポートフォリオ評価

 

【特徴】

※パフォーマンス評価…ルーブリックを作成し、課題に対する答え(パフォーマンス)の質を評価する。テストの点数を用いた評価はこれに該当。定量的。

ポートフォリオ評価…学習成果・過程(作品集や観察記録、その他もろもろ)を1箇所(ポートフォリオ)へ保存。体系的に評価する。定性的。

 

どちらの方法が良い、悪いというわけでなく、学習評価の際、それぞれの特徴を踏まえ、評価方法を選択することが重要。

 

3観点評価について、

●学びに向かう力 … ポートフォリオ評価>パフォーマンス評価

●知識・技能 … ポートフォリオ評価<パフォーマンス評価

●思考・判断・表現 … ポートフォリオ評価<パフォーマンス評価

みたいな。一概には言えないが、イメージとしてはこのような感じでしょうか。

 

以上から、定量的評価代表格の定期テストは教師にとって都合の良いものと言えます。

評価材料として使わざるを得ないですね。

 

ただ、有名な麹町中学校の取り組みにあるように、どのようなテストが生徒にとってより良いか考える必要がありそうです。

 

学習評価はあくまでも、生徒が成長するための手段です。

行為そのものが目的になっては元も子もないです。

しかし、忙しさのあまり現場ではそのような正論は通用せず本来の目的が失われる、これが現状でしょうか。

 

 

学習指導要領(高等学校)1

学習指導要領(H30.3.30)改定

平成34年度(令和4年度)〜施行

について

 

■改定の方向性

 ・(生徒が)何ができるようになるか

   →学びに向かう力・人間性

   →知識・技能

   →思考力・判断力・表現力

 

 ・(そのために)何を学ぶか    ・・・科目の新設、目標・内容の見直し ※削減はなし

 ・(そのために)どのように学ぶか ・・・主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)

 

これらを

 ・社会に開かれた教育課程 を実現

 ・カリキュラム・マネジメント を実現

 

することによってPDCAサイクルを回しながら、教育に従事することが学校に(教師に)求められる。

 

<社会に開かれた教育課程とは?>

学校教育を通じてより良い社会を創るという目標を学校と社会が共有し、社会との連携・協働により、これからの時代に求められる資質・能力(社会的ニーズ)を明確にしつつ、それらの向上を図るシステム。

 

 

 

■まとめ

「(生徒が)何ができるようになるか」が本改定最大のテーマ。

そして、これは社会的ニーズに沿ったものであると。

「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」の実現によって育成を図る。

 

 

■資料

1 学習指導要領について(資料4)

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/044/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2018/07/09/1405957_003.pdf

学校教育_いじめ

YouTubeでこんなサミットがあることを知ったわけです。


平成29年度 全国いじめ問題子供サミット(平成30年1月開催)

 

教師「いじめはいけませんよ」

って教え込むだけでなく、子ども同士で議論させて考えを深める取り組みは有意義だと思います。

いわゆるアクティブ・ラーニング型学習ですね、賛成です。

 

ぜひ上記URLから観ていただきたいのですが、子供たちはしっかり考えることができるんです。すごいです。

だから、学校現場でもこういった機会はぜひ作るべきだし、積極的に作っていきたいと思います。

 

 

ただ、いつも僕は思います。

・いじめを受ける人の特徴は?

・いじめを受けないためにはどうすればよいのか?

・大人の中でいじめはないのか?

これらの視点からの教育、思考が足りないんじゃないかと。

 

まず統計を簡単にみていきます。

■いじめの認知 ※1

 ・小学校78%

 ・中学校80%

 ・高校 56%

年齢を重ねるにつれて減少

→発達によるもの?(被害者、加害者ともに)

→上手にいじめてる?

→集団形成の変化によるもの?

 

■いじめの推移(H25→H29) ※1

 ・小学校260%(118,748→317,121件)

 ・中学校140%(55,248→80,424件)

 ・高校 130%(11,038→14,789件)

増加傾向にあります

→あくまでも増加したのは「認知」がでしょ?

→いじめの枠組みが広くなった?

→声をあげやすくなった?

 

■いじめの種類 ※1

 ・冷やかし、悪口、嫌なこと言われた60%

 ・軽い暴力            20%

 ・仲間はずれ           15%

 

はっきり言って、これらの統計はあまり価値がないように思います。

調査対象が定性的かつ無形であり、時代変遷の影響を受けやすいから。んー

 

 

 

話は戻ります。いじめ教育における欠如した観点について。

大人って都合の悪いことは子供に伝えませんよね。

 

「人間として生きる上で、いじめは付き物。大人の中でもあるんだよ」

 

これっていじめ問題に対峙するうえで最も重要な視点だと僕は思うんです。

まず僕ならこれを子供に伝えます。

その上で、

 

・いじめを受ける人の特徴は?

・いじめを受けないためにはどうすればよいのか?

これらの視点から考えることこそ、人間社会を「生きる力」の養成につながるのでは?

 

だって、教師って卒業させたら知らんぷりですよ?

 

「その時のいじめ」を解決することは当然大事ですが、

将来どうすればいじめを受けにくいのか考えさせ自己防衛力を高めさせることも大事ですよ。

 

こんな統計もあるようです。

メンタルヘルス不調者が現れる原因 ※2

 ・本人の性格67%

 ・人間関係 58%

 

これは社会人労働者で休職された方の主な要因です。

いじめの延長線上にある問題だと僕は思っています。

 

いじめを受けないためにどうすれば?

メンタルを病まないためにどうすれば?

たぶん根本は同じです。

 

「その時のいじめ」だけを解決するのが教師の仕事ではありません。

将来、多種多様な人間と共生していく中、どんな能力を身に着けておくことで自分の身を守れるのか、発達段階に応じて子どもたちに考えさせることこそいじめ問題の根本だと思うのです。

 

いじめ問題は、

「加害者を減らそう」という視点とともに

「被害者にならないように頑張ろう」という視点も大事だということですかね。

 

【引用】

※1 平成 29 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(文科省

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/01/10/1412082-2901.pdf

 ※2 職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査(労働政策研究・研修機構

https://www.jil.go.jp/institute/research/2012/documents/0100.pdf